前回の第20話では、転職活動における「適正検査」や「SPI」、「入社試験(筆記・実技)」について、実際にWebマーケティング転職活動をした筆者の経験を含めながら解説してきた。
前回のあらすじ
・転職活動における「適正検査」「SPI」「入社試験」(あなたをより正確に深く知るために実施される)
→適性検査(性格)は簡単なアンケートの様なモノだが、企業はあなたとマッチするかを見ている
∟問題集で設問の量と回答ペースに慣れておく
∟支援会社は実施しない所が多く、事業会社側は実施することが多い
∟適性検査(性格)はウソ×。ありのままで回答(Webマーケターの適正に寄せなくて良い)
→SPIとは基本的な能力・学力検査(対策しないと結構難しい)
∟SPIの受験内容(時間制限が結構シビア)
∟SPIは社会人として最低限の能力があるかどうかを見ており、性格は面接の参考にする
→入社試験とは企業が独自に行うテスト(クセが強い場合もあるので過去の傾向を必ずチェック)
∟試験内容は企業ごとに異なる(転職エージェントに過去の内容を聞く)
∟筆者が応募した企業の試験内容(参考)
∟コンサルティングファームの試験はクセ強め。難しいため専用の対策が必要
・筆者の「適正検査」「SPI」「入社試験」対策方法
→対策や勉強する時期(応募後~1次面接まで ※もっと前からでもOK)
→対策方法(問題集や無料の学習サイトで繰り返し問題を解きとにかくパターンと量に慣れる)
∟SPIや入社試験のおすすめ対策本
∟言語(国語)と非言語(数学)の無料おすすめ学習サイト
Study Pro(実践的で使いやすく学習の計画もしやすい)
一般常識一問一答.com
・適性検査・SPI・入社試験対策の注意点・コツまとめ
→SPIや適性検査は回答数や基準点に達しなければ不合格になることもある(全く対策しないと普通に落ちる)
→受験する会社の適性検査の種類や試験内容を調べる
→企業へ応募したらSPIの問題集1〜2冊買うか、おすすめサイトで勉強・対策する(もちろんもっと前から対策してもOK)
→問題集やおすすめサイトでの勉強は必ず1周は絶対網羅して、2周目は1周目で間違った問題を重点的にやる
→本番当時は試験環境をしっかりと(パソコンの充電や電波通信状況、騒音や電話、メモ用紙・計算機の準備など)
今回の第21話では、Webマーケティング転職活動の面接全体に関すること(流れ・コツ・注意点)やオンライン面接のポイントについて解説する。
目次
転職面接の流れ
転職における面接の通過率は30〜40%と言われている。
実際、筆者もWebマーケティング転職をしたが、面接通過率は43%だった。
大学生の新卒就職活動よりも厳しい。
転職における面接回数は2~3回がほとんど(多くても3回)。
1次や2次は現場のマネージャーや人事担当者が面接官。
職務経歴やスキル、人柄、転職理由·動機などが質問の中心。
1週間程度で合否が決まる。
最終面接は役員·社長が面接官。
会社の理念、カルチャー、本人の意欲の確認などが質問の中心。
1週間程度で合否が決まる(年収などオファー条件調整で時間かかることもある)
転職ではほば全てが個人面接であなた1人に対し、面接官は複数。
時間は30-60分が多い。
流れは新卒の就職活動と同じ。
転職面接の流れ
会場到着>受付>控室>入室>挨拶>着席>面接>退室
面接10分前に会場に着くようにする(遅くても早くてもダメ)
新卒の就職活動と比べ雑談が多くカジュアルな雰囲気が多いが気を緩めてはいけない。
面接官はあなたが普段どういった雰囲気で仕事をしているか冷静に見ている。
面接官とほぼ良い距離感を保ち、硬くなりすぎず礼儀正しく対応しよう。
詳しい流れは以下の通り。
どの業界、企業の面接も大体同じ。
入室&自己紹介
・ドアのノックは3回ノック、どうぞ、入る、よろしくお願いします
・椅子の横に立ち、氏名を名乗り「本日はよろしくお願いします」と鮮明な声で面接官をみて挨拶。やや目を開くこと。
・言われてから着席、雑談、自己紹介簡潔に(1分で)
「●●と申します。本日はお時間ありがとうございます。私は現在●●という会社で●●という業務をしています。普段から●●しているので●●が得意です。よろしくお願いします。 ※簡潔に」
面接の受け応えのコツ
面接官の頭の上にもう1つ顔があると想像して、頭の上を見ながら回答すると緊張しにくい。
時々視線をずらしても良い。
自分という商品を買ってもらう意識で。
面接官の説明には相づちを打ちながら聞き、共感していることを示す
現在の会社での仕事内容・職務経歴(企業で活躍できるかスキルや経験を見られている)
全てをダラダラ網羅的に話すのではなく、志望企業にとって刺さりそうな経験·業務だけを強調·深掘りする。
どんな実績をあげたのか(具体的に)、どんな自分なりの工夫をしたのかを話す。
志望動機(会社に定着するか、長く働くことができるかを見られている)
ありきたりではなくその会社でしか使えない話題がgood。
自分らしいオリジナルエピソードを交えると良い
(御社の●●の商品にお世話になっていて・・・など)
※誰でも語れる志望理由は×
業界未経験の場合は、「なぜその業界を移りたいと思ったのかをまず話してから、その業界の中でも●●という理由で御社を志望した」という流れと話すと良い。
転職理由・退職理由(なぜ前の会社を辞めたいと思っているのか(辞めたのか?)と転職の本気度を見られている)
この質問の回答では今の会社(前の会社)や上司、同僚の愚痴やネガティブ発言は厳禁。
面接官が誘導してくるケースもあるが誘導に乗ってはいけない。
「これからこういう仕事をしたい」「前職よりも志望企業の方が自分に合っている」というポジティブで前向きに伝えるようにする。
志望動機の内容と矛盾がないか確認する。
志望動機と多少内容が被っても良い。
入社可能時期(入社意欲を見られている)
転職求人では、欠員や増員のための募集が多いため、転職可能時期も採否を決めるうえで重要なポイント。
あなたの入社意欲も見られているので具体的に答えたい。
できるだけ、最短で入社できる日程を考えて面接に臨もう。
2〜3ヵ月後くらいが理想。
「内定をいただいてから約2~3ヵ月後を想定しております。ただ現職の引き継ぎ等で前後する可能性もありますが御社の希望日に可能な限り合わせられるよう調整します」
キャリアプラン(企業で叶えたいことや目標はあるか)
会社から言われたから答えるではなく、あなた自身が応募した企業でのキャリアプランを考え、実践していく必要がある。
自分のキャリアプラン実現に繋がるよう、応募企業で叶えたいことを考えておこう。
短期(半年後)、中期(1~3年後)、長期(3~5年後)に分けてその時自分が応募企業でどう活躍してどんな成績を残してどう会社に貢献しているかの理想や目標を考えておく。
逆質問・何か質問はありますか?(入社意欲や熱意を見られている)
事前にその会社について詳しく調べておき、何個か質問内容を考えておく。
■面接官の発言を活用できればgood
「●●様は●●の課長ということですが、部署ではどんな人が活躍していますか?」
→面接官に気持ちよく話してもらうことが重要。
■競合他社と比較して褒める
「競合他社と比べて御社の商品の差別化ポイントが○○で御社だけの強みは○○ですよね?もっとあれば教えてください。」
→あなたが研究してきたことをアピールできるとgood。逆質問ではあなたの熱意を伝えたい。
ポイント
ただ質問するだけではなく、相手の話すスピードに合わせて相づちを打ち、相手の目を見ながら傾聴する。
一方的に質問をいくつもするのではなく、1つの質問をして回答が返ってきたらさらに深掘りするなど、「会話のキャッチボール」も意識したい。
退室のあいさつ(気の利いたことを短く伝えると良い)
逆質問が終わったら、お互いに御礼をして退室。
退室時に入社意欲を言葉で伝え、丁寧に退室しよう。
「本日はお時間ありがとうございました。面接を受けさせていただき益々御社で働きたい気持ちが強くなりました。どうぞよろしくお願いします」など短く感謝と入社意欲が面接によって上がったことを伝えると良い。
転職面接でどう立ち回れば突破できるか?
転職での面接は大学生の新卒就職活動の面接と比べて視点がかなり違う。
転職での面接は、あなたに既に社会人経験があることを前提としている。
そのため、あなたが「どういう仕事をしてどんな結果を残したことがあるか?仕事を通じて何をしてきたか?」がかなり重要視されていることをまずは理解しておきたい。
その他のポイントは以下のとおり。
会社に「定着」するかどうか証明する
企業側は欠員の補充や事業拡大のための採用を前提としているため、あなたに長く働いて活躍して欲しいと思っている。
あなたが次の会社で長く働けることを面接で証明していく意識が重要。
退職理由では今の会社で改善しようと努力しているが、御社の方がよりマッチしていることを伝える
面接の序盤に「なぜ転職活動をしているか?退職理由は何か?」という質問がどの企業でも100%ある。
1.今の会社の環境と今の自分の志向性を整理して具体化して伝える
2.現職ではマッチしなかったことを伝える(退職理由)
注意
2を伝える時、マッチしなかった現状に対し自ら働きかけ、改善行動をしたか?を伝える。
自分なりのアクションをしたが、組織の問題でどうしても解決が困難だったことを伝えよう。
ただしあくまでも今の会社に入社したことはあなたのせいなので、ミスマッチしたことを自己責任で反省する姿勢を忘れずに。
3.今後どう改善するかどうしていきたいか伝える
4.そして改善するために、マッチする仕事·会社·環境を具体化して伝える
(志望動機を先に聞かれたのであれば志望動機とも整合性があることをアピールする)
未経験は注意(やったことない人がやってみたいと思うのは信用ならない)
業界・職種未経験での転職活動では「なぜ未経験にも関わらず弊社の業界(職種)を志望したのか?」という質問もある。
やりたい仕事や業界の悪い部分や課題に注目しつつ、それでもやりたい理由、その仕事でどんなことを探求したいかを伝えると良い。
例:「Webマーケターとして将来的に●●な仕組みを作りたい」など。
未経験ほど具体的に回答する。業界や職種について詳し調べていないのが伝わってしまうと面接突破は厳しい。
※Webマーケターの特徴やWebマーケティング業界に関することは第11話、自分でもできるWebマーケティングに関しては第6話にまとめてある。
会社で「活躍」するかどうか証明(ただスキルや経験を語れば良いだけではない)
当たり前だが、今の会社と志望企業が同業界・職種め実務経験やスキル、高い実績があると即戦力として評価されやすい。
ただし同業界・職種だからと言って油断は禁物。
スキルや経験だけを面接でアピールするのではなく、これまでの実績は自分の創意工夫で成果を出したのか?あなたの仕事の進め方に再現性があるか?転職後もそれくらいの実績をあげられるか?という点も意識して伝えると良い。
面接の受け答えはちょうど良い長さで
面接では簡潔かつ論理的に伝えることができるかで面接官の印象が変わってくる。
よくある質問に対しては、回答をあらかじめ文章で書いてみて簡潔かつ論理的になっているか確認しよう。1分400字くらいにまとめたい。
回答があまりに長すぎるのはNGであるし、質問に対して「はい」「いいえ」だけで終わらせるのもNG。
面接官と会話のキャッチボールをして、面接官にその質問や話題に対して「もっと話を聞きたい」くらいにまとめよう。
具体的な例えや理由やエピソード(原体験)があると面接官も情景をイメージしやすいため、あなたの話もよく伝わるはずだ。
30代は個人プレイヤーだけでなくマネージャーとして活躍できそうかも見ている
あなたが30代なら将来の幹部候補として面接官に見られるだろう。
個人だけでなく、チームで成果がだせるか?長期的にマネジメント・育成の関心があるかどうか?も回答の中でアピールできると良い。
具体的には謙虚であるか?チームプレイができるか?環境に適応できるか?などの評価ポイントがある。
面接官がチェックしたいポイントを理解しておくこと
社会人経験の深掘り
スキルや経験はもちろんだが、「あなただからこそ残せた結果はなにか?」という主体性や現在の会社の立ち位置についてもチェックされている。
ストレス耐性がどこまであるか
これまで仕事で苦労したこと、失敗したこと、それをどうやって解決・克服したのかという質問でチェックされる。
またいわゆる圧迫面接や回答に対して面接官に詰められることでストレス耐性を見る会社もあるが今はかなり少なくなっている。
コミュニケーション能力はどこまであるか
社内での立ち位置と「仕事で困った時に助けてくれる人はどれくらいいるのか」という質問でチェックされることがある。
今の会社で上手く人間関係を築けるかや、社内トラブルの際の対処方法についてチェックされる。
またこの質問で役職に関係なく「リーダーシップ」についても評価されることがある。
転職面接で絶対押さえておきたい話し方・伝え方7選
面接の流れやよくある質問内容、見られるポイントが分かったら、話し方や伝え方、振る舞いのコツを押さえよう。ポイントは以下の7つ。
話す長さは1つの質問に対して30~60秒(文字数だと200~400字)
質問に対する回答は結論をまず先に話す。
その後に結論を裏付ける経験や実績を添えたり必要な情報を後から補足しよう。
この順序で話すことをPREP法と呼ぶ。
頭文字を取ってP(point)結論→R(reason)理由→E(example)具体例→ P(point)結論と覚えよう。
また面接官が応募者の回答に興味を持ち、もっと知りたいと思って質問を深掘りされるような状況が理想である。
相手の会社の呼び方は面接では「御社(おんしゃ)」。無理な言葉使いはしなくて良い。
よく相手の企業を呼ぶ際、「御社」と「貴社」がごちゃ混ぜになってしまうことがあるが...
面接など話し言葉の時は「御社(おんしゃ)」、履歴書や職務経歴書、メールなど話している以外のシーンでは「貴社(きしゃ)」が正解。
それでも間違いそうなら最悪、「株式会社○○○様」と様付けで呼んでしまっても間違いでは無い。
ちなみに様付けは面接など話し言葉の時もそれ以外のシーンでも両方使える。
また無理して慣れない尊敬語や謙譲語、丁寧語は使わなくて良い。
失礼が無い程度で普段のビジネス上の口調でOK。
無理に急に尊敬語や謙譲語を使ってしまうと面接官にバレバレ。
バレるくらいなら普段の自分の話し方でOK。
シンプルに「ですます調」でストレートに言い切って良いし、そっちの方が歯切れがよくて伝わりやすい。
語尾は堂々と(間の取り方ができればベスト)
質問への回答にウソはNGだが、自分ができる、自信があることなら堂々と言い切って良い。
あまりにも自慢するような態度はやり過ぎだが、変にへり下る必要もない。
自信をもって回答しよう。
回答の最後(語尾)を極端に弱く(強く)しすぎず、回答後「以上です」と添え、間の取り方も意識できるとベスト。
舞台の上に立つ俳優を演じよう。
回答は丸暗記せず自然な感じで抑揚をつけて話す
前向きな転職理由、根拠ある実績、強み、特技、成功体験とその背景、失敗談とその教訓、明確な将来像や目標、志望動機、やってきたこと、やりたいことなど転職面接でよくある質問の回答はスムーズに回答できるように練習しておこう。
回答は丸暗記ぜず、重要なキーワードをポイントとして抑えておこう。
一言一句暗記すると、どうしても回答に棒読み感が出てしまい、準備・想定してきた質問以外の質問が飛んできた時に、準備・想定してきていないことがバレバレになってしまう。
あくまでも自然な感じである程度抑揚やメリハリがついた口調で質問に回答できるようになろう。
ポイント
面接の練習やロープレを実際に声に出して繰り返し行うことが大事。
(鏡を使ったり、周りの人やエージェントに頼んで練習に付き合ってもらい、自分がどう移っているか客観的に見るようにしよう)
見た目で印象やイメージが8割決まる
面接官も人だ。
質問への回答内容やあなたの経歴、スキルも大事たが、人は視覚情報で相手のイメージや印象を決める。
視覚情報(見た目)だけで80%決まってしまう。
リアルな対面面接でもオンライン面接でもあなたの顔つき、スタイル、物腰、たたずまい、アクセサリー、服装、態度、目つき、姿勢などは全部見られている。
今一度チェックしておこう。
やはり本番と同じ状況や環境で事前に練習し誰かに見てもらうか鏡や録画をして客観的に自分の見た目を確認しておきたい。
相手の意図を汲んでシンプルに回答(相づちやリアクションも大切)
面接の回答でNGなのは、「地味」「暗い」「汚い」「話が回りくどい」「話が長すぎる(短すぎる)」「要領をえない回答(的外れな回答)」「ユーモアが通じない」「今の会社の愚痴や悪口が止まらない」だ。
特に「話が回りくどい」や「的外れな回答」はよくやってしまいがち。
想定していない質問の時に自分が想定・準備してきた違う回答に無理矢理寄せようとするとそうなる可能性が高い。
ポイント
想定していない質問に対しては、落ち着いて質問の意図を汲みシンプルに回答しよう。
質問の意図が分からない場合はもう一度質問内容を確認する。
それでも分からない場合は無理に回答せず分からないと言ってしまっても良い。
(ただし一生懸命しばらく考えたけど今すぐに回答に至らかったことは表現しよう)
また「ユーモアが通じない」も失敗しがち。
もちろん面接という真面目な場ではあるが、面接官もあなたの緊張をほぐそうとしてアイスブレイクや雑談をすることもある。
面接官も人間なのであなたが終始、真面目な顔でずっといるよりも、あなたが喜怒哀楽を表現したり、面接官が話している時は相づちを打ったり、リアクションをとってもらった方が嬉しいし、印象にも残る。
面接もパフォーマンスだ。
自分が話している以外の時も気を抜かず対応しよう。
緊張対策のポイント(どれだけ普段の自分で居られるかがポイント。たくさん準備して自信をつけよう)
転職活動での面接は誰でも緊張する。
緊張しない人はいないが、緊張しすぎて何も回答できない、何もアピールできないともちろん採用されない。
極度の緊張は面接官をしらけさせるので、そうならないために以下のポイントを押さえておこう。
ポイント
・自分を実力以上に見せない(等身大で)
(→自分を実際のスキル、能力以上に見せようとすると緊張が大きくなる)
・回答を丸暗記せず、定番質問の回答はキーワードで整理して覚える
(→緊張しすぎて暗記した内容が飛んでしまうと全部回答できない恐れがある)
・上手く話そうと思わず、伝えたいことを絞って伝える考えで臨む
・万が一緊張で空白の時間ができてしまったら、素直に緊張していることを謝罪し時間の猶予をもらう
・質問の意図分からない場合、聞き取れなかった場合も素直に確認
(→意図が分からないまま回答しようとすると余計緊張したり的外れな回答になってしまい評価を落としてしまう)
・見極められるのではなく、こちらも自分に合う企業がどうかを見極めるスタンスで面接に臨む
・しっかりと事前準備、練習をして場慣れし、自信がつけば必然的に緊張しなくなる
オンライン面接のコツと準備しておきたいこと
感染拡大により転職面接もWebを使った「オンライン面接」が主流になっている。
1次〜最終まで全ての面接がオンライン面接の企業もあれば・・・
最終面接だけリアルの対面で序盤の面接はオンライン面接など、何かしら1回はオンライン面接の機会がある企業が多い。
オンライン面接はリアルの対面面接とは違った注意点や気をつける点、工夫できる点がある。
筆者が実際にWebマーケティング転職活動をして感じた事、気付いた事を紹介する。
面接環境の整備と事前準備は万全に
通話アプリの操作に慣れておく
zoomやteamsなど企業がオンライン面接で使用する通話アプリはバラバラ。
企業が指定するアプリは面接の日程調整時に分かることが多いので、分かり次第、通話アプリをダウンロードする。
初めて使うアプリなら操作にも慣れておこう。
音声やカメラ、画面共有のON OFFなど操作する可能性があるボタンは一通り押してみる。
照明は白色のデスクスタンドで工夫。より明るくなるように
照明にも気をつけたい。部屋の向きや座る方向でも明るさが変わりあなたの印象に影響する。
明るい方が基本的にgood。
部屋の都合でどうしても暗くなってしまう場合は、白色LEDのデスクスタンドなどで照らして調整しよう。
服装は指定が無ければ原則、全身スーツ。
通話アプリのバーチャル背景は使わずに、壁が背中側にくるように座ろう。
関連資料や成果物(ポートフォリオ)があるなら手の届く所において準備しておこう。
デザインの経験がある人は成果物や作品を手元に準備しておこう。
筆者はWebマーケティング転職活動をしていた。
個人の活動とて自分のブログメディアをパソコンであらかじめ開いておき、いつでも画面共有できるように準備していた。
またあなたの趣味などについて質問される可能性もあるので、もしテニスならラケットなど趣味に関わるものは近くに置いておこう。
また、手の届く範囲にカンペも作っておいて良いが・・・アナウンサーのように原稿が面接官に見えてしまったり視線の移動で結構ばれてしまうので、いざという緊急時以外は使わない。
事前に面接のリハーサルを十分しておき、声に出して練習しておきカンペは使わないのがベスト。
スマホの三脚は準備しておきたい筆者おすすめアイテム
オンライン面接に使うデバイス(機器)だが、基本的にパソコンで問題ないが、実はパソコンの内蔵カメラよりもスマホのインカメラの方が性能が良いことがほとんどだ。
よりカメラの画質や写り具合を良くするには、スマホでオンライン面接に臨むのもあり。
ちなみに、企業が指定してくるzoomやteamsもスマホ用アプリがあることがほとんどなので問題ない。
筆者も始めはPCで面接していたが、画質や音質があまり良くないとフィードバックを受けることがあったので途中からスマホで面接をした。
スマホに変えてからは音質や画質が改善された(筆者のパソコンのスペックが低いというのもあるが...ちなみにスマホはiPhone8 PLUS)
パソコンやスマホをただ立てかけただけだと、あなたの顔を下からのアングルで映すこととなり、面接官にとってはあなたが上から見下しているような画角となりとなり印象がが悪い。
スマホ用の三脚が2,000円くらいで売っているので、それを使いスマホの位置を高くして、あなたがスマホを少しだけ見上げているような画角にすると面接官にとって印象がよくなる。
オンライン面接特有のコツ(話し方・映り方)
より声を大きくリアクションも大きめに。カメラの位置にテープを貼ってカメラ目線を意識
オンライン面接はリアルの対面面接と比べて、声や仕草が伝わりにくいことを理解しておこう。
ポイント
・いつもよりも口角を上げて声を大きく、オーバーに話す。
・絶対に焦らず、少し間を置いてから話す意識でOK。
・とくに語尾は急ぎがちで聞き取りにくいことが多いので、語尾までしっかりと言い切る。
・センテンスとセンテンスの間に間をおきらメリハリのある話し方を意識する。
また目線はパソコンやスマホの画面ではなく、パソコンやスマホのカメラの位置を見る。(カメラの位置にテープを貼るのもオススメ)
リアルの対面面接よりもより大きく相づちやボディアクションをつけて、面接官の話を聞いていることをアピールしよう。
オンライン通過アプリでは自分がどう映っているか見えるので、余裕があるなら、時々横目で確認しよう。
パソコンはWi-FiではなくLANケーブル。背景や音にも注意(特に宅配・郵便)
パソコンでオンライン面接に望む場合、Wi-Fiではなくできるだけ有線(LANケーブル)でネット回線に繋ごう。
万が一、回線にトラブルがあった時の対策として、面接官や企業の連絡先をあらかじめ確認しておこう。
(転職エージェント経由なら事前に電話番号が案内されることがほとんど)
また、背景には余計なものが映らないか、雑音や環境音が入らないか十分に確認し、上で紹介したように明るさにこだわろう。
特に自宅でオンライン面接中に宅配や郵便などでピンポンが押されてしまうことが不意にある。
筆者は玄関の扉に「オンライン会議中。○時~○時はすいませんがピンポン押さないで」という張り紙をして対応した。
大事な企業の面接ならビジネスホテルのテレワークパックなどを活用するのもアリ。
オンライン面接特有の注意点5選
オンライン面接は会場が自宅など移動しなくてOKなので効率的かつ利便性が企業側もあなた側も高くなる。
ただしオンライン面接特有の注意点もあるので以下の5点は必ず押さえておこう。
ポイント
・回線トラブルや機器トラブルなどの緊張時は、トラブルが発生次第、企業の連絡先に速やかに連絡
・zoomやteamsなどの通話アプリではプロフィール設定からあなたの名前を必ずを変更しておこう。
→直近で友達とオンライン飲み会をしてふざけた名前のママになっていて・・・それがもし面接で表示されてしまったら目も当てられない)
・オンライン面接はネット環境が命。
→万が一、回線が切れた時のバックアップ方法や対処方法を確認しておこう。(例えばパソコンで面接に臨む場合もスマホで接続できるようにあらかじめ準備しておくなど)
・面接1時間前から環境チェックを。
→面接直前になって回線になんらかの不具合が見つかると焦るし面接の時間に遅れることもある。時間に余裕をもって準備や会場のセッティングをしよう。できれば1時間前には準備完了にしておきたい。
・通話アプリが最新版になっていて動きが悪くないか。
→zoomやteamsなどのオンライン通話アプリは最新版になっているか確認しよう。アップデートが必要であればアップデートし、その後に正常に動作するか、映像の動きが遅くないか(カクカクしないか)、音声はクリアかどうかは事前に確認しておきたい。
また、オンライン通話では音声が遅れたり、ハウリングしがちたが、マイク機能付きのイヤホンを準備すると解消されることが多いので、準備しておきたいおすすめアイテム。
転職活動の面接でNGなこと・注意したいこと10選
転職活動における面接の流れや話し方のコツ・オンライン面接について理解できたら、最後に面接で「やってはいけない」NGなこと、注意しておきたいことをおさらいしておこう。
当日勢いだけで面接に臨むのはダメ
面接は何よりも事前準備や対策が大切だ。
1日ちょろっと応募企業のホームページを見ただけでは突破できない。
できれば転職エージェントも頼って、模擬面接をやってもらおう。
転職エージェントは担当の企業の人事からたくさんの「お見送り(落選)」を応募者に代わって連絡やフィードバックを受けた経験がある。
面接は場数を踏むことで上達する。
やればやるほど上達する。逆に何もせずに勢いだけで臨むと必ず失敗する。
声に出して面接練習しないのはダメ
回答を全て暗記する必要はないが、声に出して自分の耳で聞くことによりセリフを暗記するのも早くなる。
また転職活動では大学生の新卒就職活動と違い、面接をこなす数が少ないため場慣れしていないことが多い。
リアルの対面面接では感染対策で面接官との距離が遠い場合もある。
普段から本番に近い環境で声に出して練習していないと、本番いきなりある程度の声量を出すのは難しい。
頭の中でセリフを唱えるだけでなく、実際に声に出して練習することを強くおすすめする。
筆者はスマホに「よくある面接の質問」と「自分の回答原稿」をメモしておき、毎日通勤時間に見ながら心の中で唱えていた。
また帰宅後は車の中で毎日、自分で模擬面接を実際に声に出して行っていた。
もちろん間のおき方や、手のジェスチャー、表情も本番同様に。
通りがかりの人から見ると変な人かもしれないが、1人で集中できるし、完全個室なので声に出して練習できる環境としては最適だった。
熱量が伝わっていないのはダメ
面接でよくある質問で「志望動機」がある。
志望動機はあなたの会社に対する熱量がどれくらいあるかを見られている。
会社側はできるだけあなたに長く働いてほしいと思っている。
熱意を伝えるには、志望企業の商品やサービスの利用経験や原体験となるエピソードがあり、それを交えることで具体的になり熱が伝わる。
ちなみに「自己PR」は客観的で冷静な視点で自分を評価することが大事だが、「志望理由」は自分なりの主観で語ってOK!会社に入りたい意欲をアピールしよう。
口調も大事であり、覚えたセリフを棒読みするのはダメ!
元気がない人・暗い人はダメ
当たり前だが、マスクをしていたり、オンライン面接で意図せず声が小さくなってしまっていることがある。
また、笑顔がない・疲労感があるのもダメ。
パリピほどはっちゃける必要はないが、相手の目を見て笑顔ではっきり話すようにする。
表情やオンライン面接で物理的に部屋が暗かったりすると「自信がない」と思われる。
第一印象と見た目は大事
面接練習をたくさんして自信をつけておこう。
自分の座り方・映り方、姿勢も要チェック。
こだわりが強すぎる人はダメ
Webマーケティングなど特定の仕事や目的を持って面接に挑んだり退職理由や志望動機、転職の軸にするのはOKだが、「Webマーケティングしかしたくない」など自己中心的な印象が伝わってしまうのはダメ。
時間が経過すればビジネスも変化し、会社の方針や仕事も変わることがある。
1つのことだけをしたいと伝えるのではなく、「まずはWebマーケティング職に就いて○○を達成し、徐々に視野を広げて●●をしたい」「今までの経験を活かしつつチャンスがあれば色々と挑戦したいです」など2段階でキャリアの希望を伝えると良い。
他責にする人はダメ
退職理由や転職理由を環境や周りのせいにするのはダメ。
「私は何も悪くない」というスタンスで面接に臨むのはNG。
面接官も人間なので、あなたの会社の愚痴や悪口はあまり聞きたくないし、あなたの成長意欲がないように見えてしまう。
自分で失敗を認め、今後どうすべきか考え改善するためには転職という手段が最適だということを伝えるとよい。
あくまでも主語は「私」であり前向きに質問に回答しよう。
仮にネガティブなことだったとしてもポジティブに変換して語り、他人のせいにしない。自責思考で!
今までの経験を盛って伝えてしまうのはダメ
スキルや経歴、実績についてウソを言ったり盛って伝えるのはダメ。
基本的に面接官に見つかるし、仮に入社できたとても、あなたの実力以上の仕事を振られ後からしんどくなる。
徐々に会社に居にくくなり、またすぐに転職先を探すという事態になるだろう。
転職エージェントにも迷惑がかかり、良いことは何もない。
ウソはダメ。
回答が的外れ・キャッチボールになっていない会話はダメ
例えば・・・志望理由を聞かれているのに、自己PRをしてしまうなどはダメ。
質問の意図を相手のニーズに合わせた回答をしないといけない。
面接官との会話のキャッチボールになるように心がける。
回答する際は結論を先に述べ、後から理由を付け足す。
予想外の質問にはゆっくり考えて回答し、分からない質問には正直に分からないと言う
話に一貫性がない人はダメ
途中で辻褄が狂わないように回答しよう。
例えば「退職理由」と「志望理由」はある程度関連があるのに、言っていることがバラバラなど(Webマーケティングをしたいから退職したけど、御社の全然違う職種に応募したいと思いました など)
回答は統一感があった方が良い。
回答に統一感を出すためには「転職の軸」を事前にしっかりと決めておくことが重要。
回答に信頼感があるかどうかも面接官はチェックしている。
話が長すぎる·短すぎるのはダメ
軽い質問には短く、深い質問には深く長く回答するのがセオリー。
深い質問に対しても、とりあえず1分400時を目安に話してみて、面接官が物足りなそうだったらさらに回答を追加する。
面接官の表情を見て回答の長さを変えれるようになるとベスト。
企業にも面接で不採用にする権利があるが、自分にも断る権利がある。
嫌なら入社しなくて良い。
面接はあなたが入社すべき会社を選ぶ機会でもある。
面接は誰でも不安・緊張をするが、これくらいのスタンスで事前の準備・練習をしっかりすれば自信もつき、面接も上手くなる。
面接は転職活動における重要局面。ぜひ突破してほしい。
今回の第21話では、Webマーケティング転職活動の面接全体に関すること(流れ・コツ・注意点)やオンライン面接のポイントについて解説してきた。
次回の第22話では、筆者のWebマーケティング転職面接の対策方法や練習方法、面接でよくある質問の筆者の回答を公開する。