2.応募企業・エージェント

17話:ベンチャー企業で働くメリット・デメリットと実際にWebマーケティング転職で応募してみた感想

前回の第16話では転職エージェント選びのコツと筆者が実際に使ったおすすめ転職エージェント3つの感想まとめ・比較を行った。

インターネットで表面上の情報だけを拾ってきた訳ではなく、実際に筆者がWebマーケティング転職で使った転職エージェントだけを生の声で紹介・比較しているから参考になったはずだ。

前回のあらすじ

・転職エージェントとは

・転職エージェントのサービス内容

・転職エージェントの仕組み
 →転職者側は利用無料
 →転職エージェントはどうやって儲けるのか?(転職エージェントの闇)
 →注意:求人条件やあなたの能力が同じ場合、転職エージェント経由よりも直接応募の方が有利?
 →転職エージェントは複数登録が基本

転職エージェントの特徴
 →転職エージェントの種類・タイプ
 →転職エージェントに登録するメリット・デメリット
 →良い転職エージェントかどうかを見極めるポイント

・筆者が実際に使ったおすすめ転職エージェント3選 感想まとめ・比較
 →リクルートエージェント
 →JACリクルートメント
 →ワークポート

今回の第17話では、ベンチャー企業で働くメリット・デメリットと実際にWebマーケティング転職で応募してみた感想について語っていく。

目次

ベンチャー企業とは【成長途中の企業であり、あなたがリスクをとって会社や自分の成長やスキルアップにコミットできる会社】

社員

まずは「ベンチャー企業」とは何なのか?について最初に定義しておきたい。

筆者の中でベンチャー企業とはざっくり言うと・・・【成長途中の企業であり、あなたがリスクをとって会社や自分の成長やスキルアップにコミットできる会社】だ。

なお、大手企業・中小企業・スタートアップ企業との違いや比較は、第12話でWebマーケティング転職における企業の選び方や応募時に見ておきたいポイントと一緒にまとめてある。

大手企業決められた基準はないが社名を言えば誰もが知っているような有名企業。

これまでは生え抜きの社員でWebマーケティングの部署を構成することが多いが、近年はWebマーケ経験者を中途採用で迎えるケースも多くなっている。

中小と比べて転職や異動が多く、仕事の幅も狭い(配属の部署でやることが決まっており裁量権は少ない)
ただし社会的信頼が厚く、中小よりは年収も高く福利厚生も充実していることが多い。

ベンチャーやスタートアップのように会社としての成長はあまり期待できない。
中小企業日本にある会社のうち99%以上が中小企業。
例えばメーカーなら資本金が3億円以下で従業員数が300人以下であれば中小企業となる。

大手に比べて転勤が少なく色々な経験ができ、出世も早いが大手と比べて安定や年収は低い。

中には有名でなくても非常に優良な中小企業も多く存在している。
ベンチャー企業既存のサービスやビジネスを元にさらに新しいサービスやビジネスを展開する企業。

会社としての歴史は浅く従業員数も少ないことが多い。


スタートアップよりも中長期的に成長や成果を狙っている。
スタートアップ企業まだ世に無いような新しいサービスやビジネスを展開する企業。
会社としての歴史は浅く従業員数も少ないことが多い。

新しいことや革新的な仕事が多く会社としても成長過程であることが多い。
特にIT周りの業界に多い。

ベンチャー企業よりも短期間で成果を出すことを狙っている。

ベンチャー企業で働くメリット

メリット

とりあえず大手企業に入社すれば、安定感があり生涯安泰という時代は終わりつつある。

終身雇用制度は日本特有の文化であるがこの先もずっとある訳では無くなってきた。

だからこそ自分の市場価値を高め、どの会社からも必要とされるような人材を目指し、Webマーケティング転職活動を行っている人も多いだろう。

これからは個人の力をつけるため、自分の市場価値を高めるため、ベンチャー企業を選ぶ人もいる。

ではベンチャー企業で働くメリットは何なのか?

裁量権があり業務の幅が広い(市場価値が高まりやすい環境)

ビジネスマン

ベンチャー企業は大手企業に比べ、社員の人数が少ないことが多い。

その分、社員に仕事の裁量が与えられるケースが多く、業務の幅が広がり様々な経験ができるだろう。

大手企業では役員クラスの業務をベンチャー企業では新人がこなしていることもあるかもしれない。

それだけ市場価値が上がる環境があり、スキルアップや成長のスピードが速く、同時にやりがいも感じることができる。

社長が近く意見が通りやすい・経営感覚が身につく

社長

ベンチャー企業は社員数が少なく組織もミニマムであることが多いため、社長までの距離が近い。

その分、自分の意見や企画などが通りやすく、やりたかった仕事を実現できるチャンスが多い。

また、社長がやり手であり、社長から何かのノウハウを学びたい、身につけたいと思っているならベンチャー企業は好都合であるし、社長に近ければ必然的に経営感覚を磨く訓練にもある。

将来的に独立や起業を目指しているならベンチャー企業で社長の近くで働いてみるのもアリ。

若いうちから経験・実績を積み自己解決力を鍛えられる

成長

もしあなたが20代でベンチャー企業を目指しているなら、若くから経験、実績を積めるチャンスでもある。

30代以上になると即戦力を求められるため中々、「ベンチャー企業で社会人としての成長」は積みにくい。

若いうちから困難な場面に遭遇することが多くなるが、自分で解決できる能力がつきその後に大きく活きてくる。

またベンチャー企業は少数精鋭であるため、自分が失敗するとすぐに仕事やプロジェクトが止まることが多いが、その分、時間管理が身につくことになる。

仕事やプロジェクトが進むスピードも早いので時間内に仕事を終わらせるスキルも身につくだろう。

社会人ではあればぜひ早めに取得しておきたいスキルである。

ベンチャー企業で働くデメリット

デメリット

これから先の時代で生き残るため、自分の市場価値を上げていくため、成長するためにベンチャー企業を選ぶのはアリだが、逆にデメリットもある。

あらかじめ理解しておこう。

デメリットは主に大手企業にはあるが、ベンチャー企業には無いものが多い。

社内体制や福利厚生が整っていない

福利厚生

ベンチャー企業は大手企業と比べると創業からあまり時間が経っていない若い会社(最近できた会社)であることが多い。

そのため会社の組織や社内体制、人事制度などがふんわりしていることが多い。

もちろん大手企業にあるような福利厚生(例えば交通費支給、家賃補助、休暇制度、退職金制度など)も無いことが多い。

逆に業務の幅は広く仕事量が多くなる。

これは市場価値を高めたり自分の成長という意味ではメリットにもなりうるが、割とハードであるという裏返しでもある。

独立志向やスキルアップを目指したいという人なら、社内体制や福利厚生の充実度に目をつぶったとしてもベンチャー企業が向いているだろう。

求められる成長スピードが速くOJT制度がない

スピード

ベンチャー企業は大手企業と比べ社員数が少ない。

その分、仕事は広くそして速くしないといけないし相応の成長をして成果を出すことが求められる。

即実践即現場主義であることが多く、先輩や上司から仕事のやり方を教えてもらえると思ってはいけない。

OJTなどは無いに等しい。教えている暇はない。

自分で仕事を探して自分で挑戦し試行錯誤することが求められ、受け身の人には向いていない。

安定していない・倒産するリスクがある

倒産

感染が拡大する中、大手企業であっても苦戦、倒産しているケースがあるのが現状だ。

大手企業のような潤沢な利益や貯金がベンチャー企業にはないケースが多い。

大手企業なら売上が0になっても何年も全社員の給与を支払えるだけの体力があるが、ベンチャー企業の場合は翌月の給与支払いも怪しい自転車操業であることもある。

全てのベンチャー企業が余裕が無い訳ではないがベンチャー企業を選ぶ以上、大手と比べそのような可能性があることは頭に入れておきたい。

あなたが選ぶベンチャー企業のお金事情は事前に確認しておこう。

自分で将来設計を描き年月ごとの細かな目標設定があり、ベンチャー企業がその目標達成には向いているということであれば、選ぶ価値はある。

やはりベンチャー企業は大手企業と比べ色々とリスクがあり、会社として未熟な部分が多くなるが、リスク以上に自分の成長、市場価値アップ、経験を得られる。

ぬくぬく働きたい人にはおすすめしないが、ガツガツ働く向上心がある人にはこれからの時代、ベンチャー企業が合っているだろう。(特に20代の若い人にとって)

良いベンチャーを選ぶためのポイント

会社選び

ひと口にベンチャー企業と言っても、色々ある。

ブラックなベンチャー企業へ入社してしまうと、自分の成長や経験、市場価値アップ以前に会社に使い潰されてしまう危険がある。

自分にはベンチャー企業が合うんだ!と言って手当たり次第に飛びつくのではなく、しっかりと転職活動の中で良いベンチャー企業なのか見極めよう。

業界や製品サービスの種類を間違えない(競合も伸びているかを確認)

ポイント

まずはそのベンチャー企業の業界や扱う製品やサービスの種類に着目しよう。

その企業だけなく同じ業界、種類を扱う他社の業績も伸びているだろうか?

他も伸びているようなら業界、種類全体が伸びている可能性が高いので選んでOK。

逆に選ぶ企業もあまり伸びておらず、業界や種類全体でもあまり伸びていなければ一度立ち止まってほしい。

特に職種をWebマーケティングにするなら、色々な業界、種類を扱えるため、絶対に業界や種類を間違ってはならない。

儲かる、伸びている業界や種類のWebマーケティング職に就いたほうが未来は明るい。

なお、ブラック企業の見分け方とおすすめしない業界/ホワイト企業・業界の特徴ついては第13話で解説している。

同業他社からの評判は悪くないか?

悪い噂

上で同業他社の業績も伸びているか確認した方が良いと述べたが、可能なら選ぶベンチャー企業が同業他社からどう思われるか、どういう立ち位置なのか?も同時に確認した方がベター。

中々そこまで踏み込んで聞いたり調べたりするのは難しいが、専門型の転職エージェントやオープンワークなどの転職掲示板に何かヒントがあるかもしれない。

同業他社からの評判が著しく悪いベンチャー企業に関しては一度立ち止まって欲しい。

そのベンチャー企業があまり良くない方法で業績を伸ばしていたり業界内のポジションを奪おうとしている可能性もある。

同じ業界内であれば、様々なシーンでお互いにライバルに出くわす。

その際に評判が悪いと業界全体を司っている○○協会や○○連合会から目をつけられる可能性もあるし、情報交換や人脈など色々と損したり不利になることもある。

現場のメンバーは優秀か?経営陣は優秀で当たり前

一般社員

べンチャー企業は優秀や経営陣によって立ち上げられ、理想的なビジョンがあるからこそ輝いて見え、今も会社として存在している。

社長や役員などの経営陣は華やかな実績があり、優秀で当たり前。

選考時に面接官として対応するのは社長や役員であるため、あなたには良い会社、優秀な社員が在籍している会社として映るだろう。

ちなみに、この時点であなたが「優秀でない」と感じるならそのベンチャー企業は向いていない。

また経営陣だけが優秀で、実際に働いている一般の社員や直属上司はあまり優秀でない、むしろポンコツというベンチャー企業もありうる。

いくら経営陣が優秀であっても転職後普段一緒に仕事をするレイヤーの周りの社員がポンコツではあなたが思い描くような経験や成長、市場価値アップは実現しにくくなる。

末端の一般社員が優秀かどうかも確認しよう。

面談

これは選考時の面接では分かりにくい事が多いため、本気で入社したいベンチャー企業に対しては、現場の一般社員だけと面談をセットしてもらい、反応を見るのも手だ。

その面談では逆質問を積極的にして一般社員がどんな意識でどんな仕事をどれくらいこなしているか確認してみよう。

実際にWebマーケティング系のベンチャー企業4社に応募してみた結果・感想

筆者は33歳の時にWebマーケティング転職活動を行っていた。

Webマーケティング系のベンチャー企業4社に応募した経験をもとに結果や感想をお話する。

面接や面接官の雰囲気(若くてカジュアル)

面談

まず面接官の雰囲気だが、ほぼ私服かつカジュアルな印象。

年齢も大手企業と比べると非常に若い。

面接官が年下というケースも結構あった。

配属予定先の上司と同い歳くらいか年下、同僚はおそらくほぼ年下だ。

面接というよりもまずは一次面接の最初に会社説明があるようなパターンもあり、面談に近い感覚もあった。

ただ、面接回数が進むにつれ徐々にいわゆる面接に近くなってくる。

面談に近かったとしても、選考には変わりないので油断してはならない。

選考の流れや筆者の転職活動実績(大手よりも通過しやすい)

応募

書類選考の通過率は75%(3/4)と大手、中小系の企業よりも良かった。

面接通過率は57.1%(4/7)でこちらも大手、中小系よりも高め。

ちなみに一次面接でお見送りが1社、最終面接でお見送りが1社、内定1社(ただし年収希望額より100万減のため辞退)だった。

筆記試験やSPIは実施しない企業が多く(4社中1社のみ)選考結果が出るのも大手、中小系よりも非常に早く選考突破率も高かった。

面接での立ち振る舞い(副業はむしろ歓迎の場合も。自分のポリシー=核を見られる)

面接

筆者は自分でできるWebマーケティングとして転職活動前からブログを副業として運営し、アピール材料としていた。

ベンチャー企業に対しても熱意や実績を伝えるため、職務経歴書にブログのことを記載していたし、面接でもこちらから話した。

ベンチャー企業の面接官の反応としては、「副業やスキルを磨いて自分の夢を達成したいと伝えても、むしろ歓迎される」ことが多かった。

ただし「自分の夢とベンチャー企業の方針やビジョンが同じ方向にベクトルが向いており、自分と会社双方にメリットがある」という視点で伝えるのがコツ。

面接では経歴やこれまでの実績、現状のスキルをもちろんチェックされるが、ベンチャー企業は「より会社の方針や社風文化と合うか合わないか」をよく見ている印象だった。

あなたのマインドやポリシーなど核のようなものを問う面接の質問もあった。

面接ではやはり、あなたの「転職の軸」や「応募したベンチャー企業をどこまで事前に調べているか」がカギとなる。

注意

近い将来独立したいとか、副業でガンガン稼ぎたいと心の中で思っていても、面接ではベラベラ言うべきではない。

ちなみに筆者は最終面接で一度失敗している笑

副業でのブログ運営がWebマーケティング転職に役立った話は第6話で詳しく解説している。

その後のキャリア(ベンチャーから大手へ再転職も狙える)

キャリア

Webマーケティング転職で大手事業会社を狙っている人も多いだろう。

ただし未経験や実績が乏しい場合はかなり苦戦するだろう。

手当たり次第応募したけど全落ちというケースもザラにある。

その場合は一旦、Webマーケティング系のベンチャー企業で2-3年働き、実績や経験を積む。

それから再度転職活動で大手事業会社を目指す方が近道になることが多い。

ベンチャー企業は激務のところもあるが、2-3年はスキルアップや経験のためにコミット。

コミット

その後、大手事業会社へ転職しワークライフバランスにシフトてきるという考え方もある。

Webマーケティング系のベンチャー出身である程度成果が出せたなら、大手から欲しいと思われることが増えている。

(大手の事業会社の求人票にもベンチャー経験者歓迎と書いてあるケースが多くなっている)

しかも、最近のベンチャー企業(特にITやWeb系などの利益率が高い業界)は大手企業よりも福利厚生が充実しているケースも多い。

しっかり企業を選定すれば、大手企業なみに労働環境が良いベンチャー企業も存在する。


今回の第17話では、ベンチャー企業で働くメリット・デメリットと実際にWebマーケティング転職で応募してみた感想について語ってきた。

次回からは第3章「Webマーケ転職を実践」編に入り、書類提出や面接対策など具体的な転職活動のノウハウや方法・考え方について、筆者が実際にWebマーケ転職を行った経験をもとに解説していく。

第18話では、転職エージェントとの初回面談と初回面談までに準備しておきたいこと・注意点について解説する。

第2章 応募企業・エージェント 完

  • この記事を書いた人

れってぃ係長

33歳男 | 関西在住 | 社会人11年目(法人営業5年〜広報3年〜自社メディア運営4年目) | 自動車業界某大手企業の係長 | 副業でブログメディア2サイト運営中(月間3万PV) | 2021年3〜6月にWebマーケティング職への転職活動に挑戦 | 妻・娘の3人家族 | ウェブ解析士

-2.応募企業・エージェント

© 2024 おっさんのWebマーケ転職 体験談 Powered by AFFINGER5