前回の第6話では、副業でのブログ運営経験はWebマーケティング転職で有利になった(武器になった)体験談を紹介してきた。
WebマーケティングはブログやSNSなど個人でもあまり運営資金をかけずにチャレンジしやすいので、まずは「自分でやってみる」ことがしやすい分野だ。
いざWebマーケティング転職に挑む際、色々と自分の実績や経験をアピールする上で武器は色々あった方が良い。
何を武器にするか検討する上で、当然「資格」も候補に入ってくる。
Webマーケティング関連の資格はもちろんたくさんの種類があり、持っていることに越したことはない。
ただし、転職活動のために無理して時間を割いて「資格」を取る必要はない。
実際、資格を持っている状態で、私・れってぃ係長はWebマーケティング転職にチャレンジしたが、資格を持っていることで何か有利に働いたことはあまりなかった。
Webマーケティングの世界では、資格を持っているよりも、「何ができるのか?何をしてきたのか?」という実践・実績・経験の方が重要視されている。
詳細を今回の第7話で見ていこう。
目次
「ウェブ解析士」という資格を持っていたが面接ではほとんど聞かれなかった
履歴書・職務経歴書の資格欄に書いたが面接官はビックリするほど無関心
私・れってぃ係長はWebマーケティング転職をする際、「ウェブ解析士」という資格を持っていた。
ちなみに資格を取ったのは2019年の夏、Webマーケティング転職をしたのは2021年春だ。
資格を取ったものの、資格を活かしてガンガン仕事したり業務に取り入れているという訳ではなく、本業でWeb業務を行う上で必要な知識を学ぶために資格を取っただけだ。
ただ名刺に書いてあるだけだ。
もちろんWebマーケティング転職をする際、応募書類(履歴書と職務経歴書)の資格欄に記入した。
・・・が、記入しただけ。
ほぼ全ての面接で「ウェブ解析士」について質問されることもほぼ無かったし、一切触れられないこともあった。
触れられても、「資格は運転免許とウェブ解析士なんですね〜」と読み上げられるだけ。
(※書類選考において「通すか落とすか迷った挙句、一応資格があるから通しておくか」というパターンはもしかしたらあったかもしれない)
なお私・れってぃ係長のWebマーケティング転職活動の結果については第1話にまとめてある
ウェブ解析士とは(Webサイトのアクセスデータを活用して成果・改善のため正しい判断ができる人)
Webマーケティング転職においてあまり関心を持たれなかった「ウェブ解析士」だが、一応どんな資格なのか触れておく。
資格自体は、一般社団法人ウェブ解析士協会という団体が立ち上げた民間資格。
「実務に役立つ」からこそ選ばれる
一般社団法人ウェブ解析士協会のサイト
43,000名超が受講した実践資格「ウェブ解析士」Webマーケティングの知識・スキルを取得するために基盤となる「ウェブ解析」について、「体系的に学べる環境」「スキルの評価基準」を設け、必要な能力や知識を身に着けられる資格です。
ポイント
Webサイトのアクセス状況を確認することができるツール「Googleアナリティクス」を使って数値データを解析。
数値データからサイトの改善〜成果 UPへ繋げていくために必要な基礎知識(媒体の特性や数値の持つ意味)が求められる。
Webマーケティングの業務を行うためには基本中の基本という内容だ。
公式テキストが用意されており、そのテキストの内容からオンラインで試験を受ける形。
受験料とテキスト代で2万円あれば受験可能。試験は持ち込み可で70点程度取ると合格。
ちなみにあまり試験時間に余裕はない。
上位互換で「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」もあり、ポケモンの進化のようにレベルアップできる仕組みとなっている
ウェブ解析士なら未経験で2ヶ月勉強すれば取れた
私・れってぃ係長が運営している違うサイトでウェブ解析士の資格を2ヶ月で合格する勉強法について解説している。
大まかな勉強方法
✔︎ 用意されている公式テキストを何回も読み込む
✔︎ 分からない用語や計算公式集を作る
✔︎ 公式問題集を解く
✔︎ 上記を毎日2時間程度の勉強ペースで行2ヶ月行う
なお、オンラインでの試験後に「レポート提出」を求められるが、レポートのヒントはウェブ解析士協会のWebサイトにご丁寧に書いてあるので、それを参考にすればOK。
未経験からウェブ解析士に2ヶ月で合格した話【勉強方法を紹介】
資格よりもWebマーケティングを手を動かして実践した方がアピールになる
Webマーケティング転職では、自分が手を動かして(実践して)得た実績や経験をアピールすると良い。
資格さえ取れば良い業界ではないし、必ず資格を取らないとWebマーケターになれない訳ではない。
面接では、特に資格なんかよりも・・・
「あなたは何ができるか?」
「あなたはこれまでどんなことをしてしたのか?」
「Webマーケティングの実績や経験は?」
「入社したらどんな形で会社にメリットがあるのか?」
「どう貢献してくれるのか?」
という視点でシビアに見られる。
資格で得た知識よりも、どれだけ実践できるかが大事だ。
ポイント
Webマーケティング業界は常に変化が激しく、Webマーケティングの手法やトレンドもすぐに新しくなるため、1度資格を取るために勉強した知識はすぐに時代遅れになることもある。
資格(学習=インプット)よりも実際に手を動かして試行錯誤をする中でどう成果を出せるか(アウトプット)を見られる傾向が非常に強い業界でもある。
資格の勉強に時間を使うなら、その前に実際にWebマーケティング自体をやってしまってできることを伸ばすことをオススメする。
今の時代、ブログでもSNSでも動画でもなんでも、あらゆる形でリスク少なくほぼ無料で始めることが可能だ。
優先順位(面接官に刺さりやすい=アピールになりやすい順番)は以下の通りだ。
優先順位
実際にWebマーケティングした実績、経験(個人でも前職でもOK) >> Webマーケティングスクールでの学習 >> 資格 > 本・動画での自己学習
何のためにWebマーケティングの資格を取るのか?
おそらく多くの人がWebマーケティングで成果を出すため!クライアントの機会に応えるため!だと思う。
→資格を取るというのはあくまでも手段で合って、資格を取ること自体が絶対に目的化したらアカン。
未経験での転職活動なら、資格は最低限の学習をしている証拠になる(ないよりは良い)
これまで、「Webマーケティング転職では無理に資格を取る必要はない。資格があったとしても選考で有利になることは少なく、面接ではほぼ聞かれない」という話をしてきたが…
もちろん、資格は無いよりはあった方が良い。
特に未経験でWebマーケティング職への転職を狙う場合、「業務としては未経験ですが、ちゃんと勉強してます!やる気あります!」というアピールには多少なる。
仮に同じ未経験で選考の評価が同じ位の2人でどちらかに内定を出すか迷った時、資格がある方の人を選びたくなるのが人の心情でもある。
未経験での転職で時間に余裕があり、「もうこれ以上転職活動に向けて準備することがない」もしくは「既にWebマーケティング職への転職が決まっていて、勉強しておきたい」という場合なら資格の勉強はしても良いだろう。
転職後求められる基本部分や用語の意味などを先に勉強しており※セルフスタートを切れる証明にもなる。
※セルフスタートとは
業務や仕事に必要な知識や手法を会社の人から教わるのではなく自分で勉強して調べて習得していくこと。
Webマーケティングの手法やトレンドは早いスピードで急激に変化する。
そしてコロナ禍でDXが加速しWebマーケティングの需要が高まってる今、Webマーケティング界隈は大忙しだ。
会社も未経験のあなたや入社したてのあなたに付きっきりで1から教えているような余裕はない。
ただしあくまでも実際に自分で手を動かして出した実績や経験を先に積むのが優先だ。資格はその後でも良い。
資格の勉強に時間を使うなら、実際にWebマーケティングをやってしまってできることを伸ばそう。
ブログでもSNSでも動画でもなんでも無料で始めることが可能。
優先順位
実際にWebマーケティングした実績、経験(個人でも前職でもOK) >> Webマーケティングスクールでの学習 >> 資格 > 本・動画での自己学習
(一応解説)無いよりはあった方が良いWebマーケティング関連の資格【特に未経験】
Webマーケティング関連の資格は本当に色々ありすぎる。
しかも受験料が結構高い(普通に数万かかるものもある)し、資格を運営している所や団体の「ビジネス感」がすごい。
繰り返すが、資格がないとWebマーケティングの仕事が出来ない訳ではない。
Webマーケティング関連のよく似たような資格がいっぱいあるのは...まぁそういうこと。
お察しのとおりだ。
どれの資格もあまり変わらないし、面接官からしたらどれも一緒に見えるだろう。
どの資格も取るのにめちゃめちゃ勉強が必要なものもない。
勉強すれば結構短時間で誰でも取れる。
次の会社に入社した後だって取れる。
それでもなお、Webマーケティング転職に向けて、もしくは転職成功後、次の会社に入る前に勉強として資格を取っておきたい。というのであればそれは止めない(笑)
もし資格を取るなら、実際にWebマーケターは日々どんな仕事・業務をしているのか・求められる能力は何なのかを理解し、自分が希望するWebマーケティングの仕事内容にあったものをチョイスするのが良い。
以下の4つがWebマーケティング転職で役立つであろう資格だ。
ウェブ解析士
「実務に役立つ」からこそ選ばれる
一般社団法人ウェブ解析士協会のサイト
43,000名超が受講した実践資格「ウェブ解析士」Webマーケティングの知識・スキルを取得するために基盤となる「ウェブ解析」について、「体系的に学べる環境」「スキルの評価基準」を設け、必要な能力や知識を身に着けられる資格です。
下で紹介するWebアナリスト検定と比べてウェブ解析士の方が資格保有者が多く、難易度は難しい。
向いてる人 | ・アクセス解析をする人 ・データ分析をする人 ・事業会社のWeb担当者や企画担当者 ・Webマーケティングの支援会社や広告代理店 |
管理運営団体 | 一般社団法人ウェブ解析士協会 |
受験費用 | 22,000円〜33,000円(公式テキスト代込) |
受験方式 | 好きな時に自分でオンライン受験 (試験後、簡単なレポート提出要) |
受験難易度 | 試験合格率約60〜65% 合格ラインは非公開(70%前後と推察される) |
資格保有人数 | 約10,000人(正会員) |
資格更新 | 1年/※簡単なフォローアップテストあり |
Webアナリスト検定
Webの解析ツール「Googleアナリティクス」を活用し、Webのアクセスデータの整理や視点を学ぶ。
ユーザーフローに沿ったデータ分析の考え方を基軸に、集客/回遊/コンバージョン/リピートに分けて、分析のポイントを理解する。
5時間の講座を受講して試験に臨むスタイルで内容は初心者、未経験でも勉強と対策をすれば充分に理解可能。
上で紹介したウェブ解析士と内容は似ているが、Webアナリスト検定の方が資格保有者は少なく、難易度は易しい。
向いてる人 | ・アクセス解析をする人 ・データ分析をする人 ・事業会社のWeb担当者や企画担当者 |
管理運営団体 | 日本Web協会(JWA)、株式会社Too |
受験費用 | 試験会場によって異なる(約20,000円〜26,000円) ※講座なしの場合、16,000円 |
受験方式 | 事前に決められた講座(5時間/オンラインあり)を受けて、テストセンターに行ってパソコンでオンライン受験 ※講座なしで試験のみも可能 |
受験難易度 | 試験合格率 約80% 各カテゴリで40%以上かつトータル75%以上の正解で合格 |
資格保有人数 | 不明 |
資格更新 | 不明 |
Google広告認定資格
Google 広告の検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、Google 広告アプリ、Google 広告測定の 6 つの科目がある。
目的に合った科目を受験、資格保有することでGoogle広告に精通している、知識があるという証明になる。
言わずとしれたGoogle。日本でも一般よ利用者が圧倒的に多くGoogle上で広告を出稿するシーンも多いため、有利となりやすい。
向いてる人 | ・Webマーケティングの支援会社や広告代理店 ・Web広告運用のポジションの方 |
管理運営団体 | |
受験費用 | 無料 |
受験方式 | 好きな時に自分でオンライン受験(Googleアカウントが必要) |
受験難易度 | 試験合格率 不明(難しくはない) 正答率80%以上で合格(不合格でも24時間後に再チャレンジ可能) |
資格保有人数 | 不明 ※ちなみに「Google Partners」 を名乗る広告代理店とはGoogle 広告認定資格を保持しているメンバーが1~2人以上所属していることが条件 |
資格更新 | 1年ごと/無料 |
Web検定
Web検定は、仕事でWebに関わるすべての人の共通語として、標準的な知識の整理・構築によって、立場による認識の違い、知識のズレによる非効率的なコミュニケーションを廃し、生産的な商取引を促し、わが国の産業発展に貢献することを目的としています。
社団法人 全日本能率連盟登録資格 Web検定(ウェブケン)のサイト
Webリテラシー、Webデザイン、Webデレクション、Webプロデュースの4つに細かく分類される。
初心者、未経験であれば4つを網羅的に把握できる「Webリテラシー」が資格保有者も多くまずはオススメ。
向いてる人 | ・Webに関わる仕事を目指している ・Webデザイナー、Webディレクターになりたい人またはなっている人 ・仕事でWebを活用するために求められる標準的な知識をつけたい人 |
管理運営団体 | 株式会社ボーンデジタル |
受験費用 | 11,000円 |
受験方式 | 好きな時にテストセンターに行ってパソコンでオンライン受験 |
受験難易度 | 試験合格率 約60% 正答率70%以上で合格 |
資格保有人数 | 約8,000名 |
資格更新 | 2年ごと/4,840円 |
転職活動のために無理して時間を割いて「資格」を取る必要はない。
未経験でのWebマーケティング転職なら、勉強している・やる気があるという証拠として余裕があれば取るのもありだが、資格を持っているよりも、「何ができるのか?何をしてきたのか?」という実践・実績・経験の方が重要視されている。
ということについて、これまで紹介してきた。
次の第8話では、「転職活動を成功させるためには自分の「転職の軸」を設定し、「軸」に沿って活動すると良い」について解説する。