前回の第8話では、転職活動を成功させるためには自分の「転職の軸」を設定し、「軸」に沿って活動すると良い。ということについて解説してきた。
転職の「軸」に沿った意思決定をすれば、後々、後悔もないし、何より正しい判断が可能になる。
また、転職活動の初期(1番最初)に「軸」をしっかり設定しておけば、面接で「ブレない回答」をすることができる。
この転職の「軸」が決まれば...
いよいよ本格的な転職活動をスタートしたいのだが、何事も適した「タイミング」がある。
転職活動にも「運」や「ご縁」、そして「タイミング」は付き物だ。
あなたのWebマーケティング転職を成功させるためにも、Webマーケティング転職に適した「タイミング」を理解すべきだ。
今回の第9話では、Webマーケティングに適した「タイミング」を解説する。
なおその次の第10話では転職活動全体の「スケジュール」を実際に直近で経験したことをもとに解説しているので、セットで読むことをおすすめする。
目次
Webマーケティング転職に適したタイミングは「今すぐ」(未経験も)
待てば待つほど不利になる
「人が死ぬより会社が先に潰れる時代」と言われている。
会社の寿命が人の寿命より短いとなると、皆、人生の中で1回以上は転職するという計算になる。
そう。転職することが当たり前の時代になってきている。
今の時代は「転職しないリスク」「転職の機会ロス」という視点からもキャリアを考えてなくてはならない時代となっている。
時間は待ってくれない。
常に「今の会社で大丈夫なのか?」という危機感を持とう。
待っていれば待っているほど人は歳を取る。
歳を取れば取るほど転職で求められるスキルや経験のハードルは上がる。
Webマーケティング転職するなら早いほうがいい。早く始めた方がよい。
転職は思い立ったらすぐ動け。
人は平等に歳を取る。
後になればなるほど手遅れとなる。
心がけたいこと
30代でWebマーケティング業界を狙っている人は特に急ごう。
Webマーケティング業界は若手が活躍する傾向がある。
転職活動で他にも応募者が居る中、面接官になった気持ちでどっちなら採用したいか考えよう。
少しでも若い方が有利だ。
歳を重ねれば重ねるほど、求められるスキルや経験のハードルは上がっていく。
感染拡大は待っていてもどうにもならない(特に30代)
感染拡大はこの先もはどうなるか分からない。
この状況は、自分の力ではどうにかなる問題ではない。
待っていても仕方ない部分もある。
もしあなたが、20代なら感染収束まで待つ方が未経験でWebマーケターを目指すには得策かもしれないが、30歳を越えているなら残された時間はあまりない。
私・れってぃ係長のように現職に残る選択肢を絶対に確保しつつ、Webマーケ転職をとり急ぎ開始してみた方が良い。
未経験OKのWebマーケター求人枠も0ではない。
企業によっては、今の機会を逃すともう未経験OK枠が出ない可能性もあるだろう。
ただし、こちらから転職サイトや転職エージェントを活用して求人情報を取りに行かないと・・・向こうから来てくれる訳ではない。
ポイント
求人情報は待ってても来ない!自分で取りに行く!
Webマーケ転職にチャレンジする時間は失うかもしれない。
でも現職を勢いで辞めない限りはノーリスクだ。
Webマーケは需要がある。ただし闇雲に転職活動しても上手くいかない。
Webマーケティングは市場価値が高い職種である。
今はWebマーケターの数が足りたいとも言われるくらい需要が高い。
そしてニーズが高まっていると言われている。
これだけ聞くと簡単に転職できそうだが、実際はかなりシビアだ。
企業側の状況やWebマーケターとして今、何を求められているか?を理解してから転職活動を始めるべきである。
感染拡大によってWebマーケティングの需要が加速した
感染拡大によってオンライン○○やDXの波が来ていることは誰もが容易に理解できるだろう。
今後もオンライン○○やDXの需要は高まる。
すなわちWebマーケティング業界やWebマーケターの需要も必然的に高まることになる。
企業はもちろん、お店、場合によってはインフルエンサーなどの個人単位、副業界隈でも、Webやデジタルを使った広告や集客、販売などがさらに普及、拡大するだろう。
そこで活躍するのが「Webマーケター」だ。
ポイント
各業界各企業ともに、Web広告やWeb集客、販売、顧客とのコミュニケーションなど重要なセクションを担当する「Webマーケティング」「Webマーケター」に注目が集まっており、需要も高まっている。
Webマーケターはどの業界、分野でも必要とされ、この先の将来も引くてあまたなのだ。
Webマーケティングのスキルがあればどの業界、分野でも活躍できるチャンスがある。
そう。将来的に見ても・・・
Webマーケター = 市場価値が高いということになる。
Webマーケティング職の市場価値の高さ、求められる能力は第2話で詳しく解説している。
セルフスタート(自ら学習する姿勢)が企業から求められている(教えている余裕なんかない)
これだけ需要のあるWebマーケティング職だ。
ある程度求人数もたくさん見つけることができるだろう。
ただ、たくさん求人があるように見えるが、急な感染拡大だったため、すぐに事業を拡大したい人事側の思惑がある。
人事側は経験者を優先採用したいと考えている。
未経験者が思考停止で転職活動に挑んでも玉砕するだけ。
しっかりと準備が必要だ。
それに加えて、Webマーケティングの手法やトレンドは早いスピードで急激に変化する。
感染拡大でDXが加速しWebマーケティングの需要が高まってる今、Webマーケティング界隈は大忙しだ。
会社も未経験のあなたや入社したてのあなたに付きっきりで1から教えているような余裕はない。
会社は学校ではない。
自ら積極的に学び切り開いていくセルフスタートの姿勢が問われる。
転職=ある程度の即戦力を求められるためこれは必須ともいえる。
特に30代の場合は、若手に教えるまたはマネジメントまで期待されていることが多い。
30代未経験なのにセルフスタートでなければ非常に苦労するだろう。
20代と30代では転職で求められることが違う
20代:将来的に企業の利益拡大に貢献できる(できれば即戦力)
30代:ビジネスをけん引できる人材(即戦力)が欲しい。
教育コストはかけられない(逆に教育を任せたい)と思っている。
企業側が求めていることをしっかりと理解して、転職活動に望もう。
転職活動を始めるにあたり、もしくは入社するにあたり、「自分でできるWebマーケティング」を早めに実践しておこう。
オンライン面接が当たり前となり転職する側も有利になった
感染拡大によって、これまでリアル(対面)での面接が一般的であったが、どの企業もオンラインで面接や選考するのが当たり前となった。
求人サイトや転職エージェントによっては「オンライン面接」で絞って求人を検索することもできるようになったくらいだ。
このオンライン面接だが、移動時間が0で場所もあまり制約を受けない(静かな環境であれば)
そのため、企業側だけでなく転職する側も参考の効率が非常に高まっている。
例えば、同じ日に何個も面接をこなすことができるし、地方在住だったとしても東京など離れた企業にも気負いせずに応募も可能だ。
ポイント
オンライン面接、オンライン選考が当たり前となった。
従来より、面接や選考を数多くこなせるチャンスでとても有利。
数を打てるので、それだけ自分にあった転職先を見つけることができる可能性も上がる。
転職するなら効率良く面接や選考をこなせる今だ。
ただしオンライン面接ならではの注意点もある。
面接の詳細ついては第21話にまとめてある。
転職全般に言える「適したタイミング」
Webマーケティング転職に限ったことではないが、転職すべきタイミング=現職の辞め時というものがある。
Webマーケティング転職は「今すぐ」がベストではあるが、この後、下に記載していることにあなたがもし当てはまるようなら、なおさら「今が転職すべきタイミング」であると言える。
職場の人間関係がどうにもならない時
人間関係の問題は、人が集まる会社においてはどうしても発生してしまうことがある。
ほとんどの場合、家族と同じくらい、もしくは家族より長い時間を一緒に過ごすメンバーだ。
一緒に働くメンバーはストレスの原因になりやすい。
もし現職でパワハラが行れている、会社全体がパワハラ当たり前みたいな体質があるなら転職すべきだ。
●●さん1人だけがパワハラを行っているなら、●●さんを追い出すことで解決される場合もある。
もし現職でパワハラを受けている、パワハラを目撃している場合は人事に通報し事実情報を記録しよう(日記·録音)
なお、上司に相談してもダメな場合もある。
その上司がもしパワハラを行う本人と利害関係にある場合はもみ消される場合がある。
労基署に頼るのありだが、さっさと転職してしまった方が楽なことが多い。
残業/休日に問題がある時
残業がない=良い会社ではない。
もし未経験でWebマーケティング転職を狙う場合は転職先で残業0でスキルや知識が他の人に追いつくとは到底思えないし、むしろ他の人より残業や勉強をして追いつかないといけない。
Webマーケ職の残業時間
Webマーケティング職の求人票を見ると、大体残業30~40時間が相場だ。
会社の雰囲気としてはむしろ好んで残業、仕事している人が多いと言われている。
ただし残業が60-70時間を超えると危険である。
現職で残業が60-70時間を超えている、休日出勤が多い、無駄な会議や非現実的なルールが多い場合は転職すべきだ。
今よりも合理的に働ける会社はたくさんある。
残業が多く休日が少ないせいで、身体を壊しては本末転倒。一度、外の世界を見てみよう。
やりがいに難ありの場合
「楽しいだけの仕事」は中々存在しないし、仕事である以上、それぞれ必要なスキル·経験も求められる。
ただし、何も楽しくない、やりがいが全くないのはかなり苦しい。
もしあなたが30歳、定年を仮に60歳だとすると、あと30年その楽しくないやりがいのない仕事を続けられるだろうか。
先が長い以上、仕事には少しでも楽しさややりがいはあった方が良い。
もし現職でそのような楽しさややりがいが無い場合は転職してみるのもアリだろう。
ちなみにWebマーケティング職は何を担当するかにもよるが大体半年~2年仕事をすれば一通り仕事を覚えて成果を出し、一人前になって「やりがい」を感じることができるだろう。
現在の給与に不満がある場合
お金は生きていく中で重要だ。
日本の正社員の平均年収は大体420万。
これが多いか少ないかはあなたの価値観次第だし家族構成にもよるし、年齢にもよる。
もし生きていく中で生活が困窮するような給与しかない場合は転職を考えるべきである。
転職すればもちろん給与が下がることもある。未経験ならなおさらだ。
業界や職種でもちろん給与の高さは異なる。
ちなみに店舗型のビジネスは給与が低くなりがち。
これはビジネスモデル上、仕方ないことで給与が低いそとを会社のせいにしてはいけない。
全てはその会社を選んだあなたの責任だ。
今の年収に見合った仕事をしていますか?
逆に高すぎる給与には必ず代償がある。
例えば、労働時間が長すぎる、ノルマが厳しすぎるかど例え年収1,000万だったとしても、その分なんらかの犠牲はあるはずだ。
現実的に自分が幸せになれる給与レンジはどの辺かを理解して、足りないもしくは多すぎる場合は転職しよう。
年収の伸びしろに不満がある場合
会社や業界、職種によって年収や給与アップの伸びしろは違う。
もっと高く評価してもらえる会社もあればその逆もはあるだろう。
もし自分の客観的なスキルや経験と今後の年収想定、年収の伸びしろを考えた時に不満があるなら転職すべきだ。
未経験でWebマーケティング転職をすると一旦年収が下がりやすいが、Webマーケターの市場価値の高さや需要の多さを考えると、今後の伸びしろは期待ができる。
一旦入社時に現職より年収が下がったとしても、いつか逆転することもあり得る。
今の仕事で結果を出した上で飽きてしまった場合
優秀な人ならどこの会社でも結果を出せる可能性がある。
現状に甘えず、環境を変えてさらなる成長を転職によって実現するのもアリだ。
これからは会社に依存するのも良いが、Webマーケティングなど個人のスキルを高めることも意識しても良い。
今そして、これからも市場価値が高く需要があるWebマーケティングのスキルを磨いていくのはアリだ。
希望しない配置転換・転勤や今までの経験が生かせない異動があり納得できない場合
サラリーマンなら逆らえないのが人事異動や転勤だ。
異動や転職で希望しない部署、得意ではない仕事、興味がない職種で仕事をするのは何とも言えない苦痛がある。
どうしても耐えられない場合は一旦、会社や上司に相談してみるのもアリ。
相談しても状況が変わらないようなはNGなら転職を検討してみるのをおすすめする。
倒産の危機のある会社にいる
感染拡大により業績が悪化している業界や会社が増えている。
大量にリストラしている場合や早期退職を募っている場合、このタイミングで転職を考えてみよう。
倒産の危機である以上、新しい仕事やスキルを磨けるような仕事はできないしないだろう。
現職に在籍するメリットがないなら早く転職をしてしまおう。
転職先の企業の将来の展望や見込みを面接の逆質問で聞いておき、倒産の危機にある会社へ間違っても転職しないようにしよう
(そもそも求人を出せる余裕がないので無いとは思うが...)
ストレス面に難ありの場合
会社ではストレスが溜まりやすい。
ポイントなのは、あなたが今抱えているストレスがどこの会社でも起こりうることがどうか、もしくは現職の環境だから発生してしまうストレスなのかを見極めることだ。
どこの会社でも起こりうるストレスが多いなら転職してもストレスを無くすという視点ではあまり意味はない。
逆に今の会社ならではのストレスだったとしたら、転職すべきだ。
転職することによってストレスを無くすことができる。
※ただし面接でそのストレスを改めるために自分で努力をしたのかどうか言えることが重要だ。
企業側目線(人事目線)で求人スケジュールを逆算するのもあり(採用ニーズが高い時期を知れ)
上では自分側(転職する側)の視点で転職に適したタイミングを解説したが、企業側(人事側)にも採用熱が高まるタイミングがある。
これを理解し、企業側が人を欲しがっているタイミング(時期)を狙って転職活動をすれば必然的に転職成功率は上がる。
条件が合うならWebマーケティング転職でも狙っていこう。
準備期間に1ヶ月、選考に2ヶ月の合計約3ヶ月を念頭に置く
転職活動の流れ
1.キャリア棚卸(経験/スキル/評価)
↓
2.自己分析(希望/やりがい/軸)
↓
3.エージェント登録·応募企業選定
↓
4.履歴書と職務経歴書の作成·面接対策
↓
5.求人紹介〜応募企業選定
※1〜5を1ヶ月(準備期間)
6.応募〜書類選考
↓
7.面接(2〜3回が多い)
↓
8.内定〜意思決定
※6〜8を2ヶ月(活動期間)
転職活動全体で合計約3ヶ月かかることを理解しておこう。
なお、転職活動の詳細の流れは次回の第10話で解説している。
1月か9月に転職活動を始めよ
上で説明したように転職活動全体で約3ヶ月かかる。
日本の暦の関係上、やはり年度が始まる4月に新しい会社に入社するケースが多い。
4月入社を狙うのであれば、3ヶ月前の1月から転職活動をスタートするべきだ。
また現職で有給を消化してから次の転職先企業へ入社するなら、もう少し早い12月頃から動き出した方が後々余裕ができる。
また、現職で冬(12月)のボーナスをもらってから退職し、新年の1月から新しい会社へ入社するケースも多い。
この場合も3ヶ月前の8-9月頃から転職活動を始めると良い。
下期スタート(10月)に合わせて新しい会社に入社なら6-7月頃から転職活動を始めることになる。
実際、8-9月、1-2月は企業の採用熱が高まっており求人数が増える傾向がある。
さらに年度の途中や年度末のため、その企業で空いているポストの求人も出やすい時期でもある。
また企業の人事部門も採用にかける予算が決まっていることが多い。
特に8-9月は上期の予算を使い切りたい、1-2月は年度の予算を使い切りたいという人事側の思いが強く、採用ハードルが下がることもある。
時期によって入社難易度や転職成功率は結構変わったりもする。
ただしWebマーケティング転職においては、この一般的に適した時期よりも、できるだけ今すぐ動いた方が良い。
【ポイント】タイミングよりポジティブな理由でいつでも転職できるようにしておくことが重要
ここまで転職活動に適したタイミングを解説してきたが、日頃から求人情報を細かく集めて、良い(自分に合った)求人が出たタイミングでいつでも応募できるようにしておく姿勢を保っておくことが重要だ。
今の仕事がつらい、嫌という理由で転職するな
なんとなく「今の仕事がつらい・いやになった」というタイミングで転職活動をしてはいけない。
これはやってしまいがちなのだが、現職を辞めること自体が目的になってしまう。
そして自分に合わない、ブラック企業だったとしても、内定が早くでた会社に入社してしまう。
1度このような転職をしてしまうと、負のサイクルに陥ってしまい中々抜け出せなくなるので注意が必要だ。
ポイント
✔︎ 現職の仕事が最高潮のタイミングで転職すると良い
採用側もネガティブな転職理由の方より、今まさに脂が乗っている人材の方が魅力がある
本当の安定とは「自分はいつでも転職できる」ように準備完了の状態であること
「人が死ぬより会社が先に潰れる時代」だ。
転職することが当たり前の時代になってきている。
「転職しない」ことがかえってリスクにもなり得る時代だ。
これに対処するには...以下の状態になっておくことが求められる。
本当の安定と言える状態
✔︎「自分はいつだって転職できる」(市場価値を上げどの会社でも活躍できる)
✔︎「給料以外に収入がある」(市場価値を高め自分で稼ぐことができる。副業など)
✔︎「どんな環境でも自分でお金を稼げる」(市場価値を高めどの会社でも自分でも稼ぐことができる。自営業など)
少なくとも、「自分はいつだって転職できる」位まで選択肢を持っておくこと、意識しておくことが重要だ。
1つの会社に依存して働き続けるよりも、複数の会社で経験を積み自分の市場価値を伸ばしていくことはこれからの時代において、1つの自己防衛策になる。
仕事に慣れてくるとどうしても「すでにできる仕事」ばかりをしがちになるが・・・
やってことがない仕事に挑戦する機会をもらいそこで成果を出すことが次のキャリアに進むうえで大切なことだ。
あなたにとって「Webマーケティング」がそれなのかもしれない。
今回の第9話では、Webマーケティングに適した「タイミング」を解説してきた。
特にWebマーケティング転職は「今すぐ」活動を開始するのがベストであり、転職に踏み切るタイミングは人それぞれきっかけがあり、採用側のスケジュールに合わせて自分の転職活動を開始するのが良い。
ただし、もっと大事なことは、むしろタイミングというより、ポジティブな理由で「いつでも転職できる状態しておく」ことが本質的な回答である。
もしあなたが「Webマーケティング転職」をする決意が固まったのなら、次回の第10話で解説している、転職活動全体の「スケジュール」を見て欲しい。
実際に直近で経験したことをもとに解説しているので、参考になるはずだ。